看護師さんの仕事内容、悩み、転職事情について記事を書き続けている私ですが、看護師として長く働き続けている方は他職種の方よりも「精神的」「体力的」にタフであるという印象を抱いています。
それもそのはず、患者さんの命に係わる責任の大きな業務と毎日隣り合わせ。それだけでも精神をすり減らしているのに、さらに同期やプリセプター、医師との人間関係で悩みを抱えている方が多いですよね。
(参考:『看護師を悩ます職場の人間関係!解決するための方法』)
私は純粋に「看護師」という職業を尊敬しています。私だけでなく、世間一般的見ても看護師のあなたに同じ想いを持っています。だからこそ、看護師から他職種へ転職することができるのです。看護師としてのスキルや経験を持っていれば、病院以外でも活かすことができます。
悩んでいるそこのあなた。病院で働くことが全てだと思ってはいけませんよ。今回は看護師から転職できる「他職種」についてご紹介します。
目次
看護師から転職できる他職種(医療関係)
看護師さんは医療関係の他職種でも、医療関係以外の他職種でも転職できます。まずは、医療関係の他職種をご紹介します。
MR(医薬情報担当者)
まずは、MR(医薬情報担当者)です。病院で働いていた看護師さんなら見かける機会も多かったのではないでしょうか?MRとは製薬会社に勤務し自社の医療用医薬品を、医療従事者に提供することを主な仕事としています。医療従事者が患者さんに提供し、その副作用を集めることもMRの仕事の1つです。
MRは男性が多い職業というイメージを抱いている方もいるかと思いますが、最近では女性も増えてきています。女性MRの数は2000年以降は毎年増加、そして2008年以降は毎年5%ずつ増加しています。
MRにも4種類のキャリアがあり、勤務先や勤務時間が異なっています。
女性MRのキャリア | 収入 | 勤務地 | 勤務時間 |
---|---|---|---|
新薬メーカーMR | 高収入 | 全国転勤あり | フルタイム |
コントラクトMR | 高収入 | 転勤なし | フルタイム |
臨床開発モニター | 収入が減ることもある | 転勤なし | フルタイム |
パートタイムMR | 収入低い | 転勤なし | パートタイム |
産業看護師
一般企業の医務室や保健室、診療所に勤務するのが産業看護師です。主な仕事内容としては社員の健康管理のサポートです。体調不良や怪我をした場合はもちろん、うつ病の疑いのある社員に対してメンタルヘルスケアも産業看護師が行います。
診療所があるような企業では健康診断の補助や採血を産業医と協力して行います。また、データで社員の健康管理も行うのでExcelやWordなど基本のPCスキルを持っておくと役に立ちます。
産業看護師は病棟勤務のようにチームで仕事をする機会が少なく、最初は心細く感じるかもしれません。しかし、「土日は必ず休むことができる」、「一従業員として企業に貢献できる」など、病棟では得られなかったメリットが感じられるはずです。
ツアーナース
ツアーナースは修学旅行や団体旅行などに添乗して、生徒や旅行者の健康管理や怪我・病気などの処置を行います。処置だけでなく、重篤時の対応の判断もツアーナースが行います。その場で対処できる場合は救急箱を持っているツアーナースが処置を行いますが、病院に連れていかなければならないこともあります。
普段と異なる環境で突然体調を崩してしまう方、身体の弱い修学旅行生や高齢の方、乗り物酔いの激しい方など、旅行中は様々なトラブルが起こりがちです。
緊急時に円滑な対応を行うための高いコミュニケーション能力も求められます。
看護師から転職できる他職種(医療関係以外)
続いては、看護師から医療関係以外の他職種へ転職する方法をご紹介します。看護師は体力仕事、また患者さんと積極的にコミュニケーションをとる仕事ということから、医療関係以外の職種に転職もできます。
アパレル販売員
お客様に対する高いコミュニケーション力が求められる職業がアパレル販売です。アパレル販売員はただ品物を売ればいいわけではありません。「どうすればお客様が購入に至ってくれるのか」を突き詰めて、接客はもちろん身だしなみやディスプレイまで店舗全体の運営を任されます。常に相手の気持ちに立って行動してきた看護師の高いコミュニケーション能力と洞察力が活かされる職業です。
飲食店のマネージャー
お客様の命に関わる仕事として看護師と同じ責任が求められるのが、飲食店です。特に最近では異物混入や原材料の偽りなどのニュースが多く報道され、世間の飲食店に対する不信感が募っています。
そこで、患者さんの命と隣り合わせで働いてきた看護師の責任感の強さや健康への高い意識が飲食店でも活かされるのです。護師として指導・教育に関わってきた方ならお店全体のマネジメントもできるようになるはずです。
スポーツのインストラクター
ご高齢の方や小さなお子様まで、幅広い層の患者さんと関わってきた看護師さんには高いコミュニケーション能力が備わっています。また、看護師同士や医師との意思疎通の図り方も、病棟で働いていた看護師さんなら得意とされているかもしれませんね。
的確で分かりやすい指示・指摘の経験を活かしてインストラクターに転職する看護師さんも多くいらっしゃいます。スポーツのインストラクターは指導することももちろんですが、相手の安全も確保しなければなりません。危険性の高いスポーツなら尚更、救急病院に勤務していた看護師さんの経験が活かされるはずです。
他職種へ踏み切れないなら働き方を変えてみる
どうしても看護師として病院やクリニックで勤務する以外に考えられない…という方は働き方を変えてみることをおすすめします。正社員看護師として働いていた方なら、パートタイムで働くことができる非常勤看護師に転身するのも良いですし、一つの病院に縛られず勤務地を転々とできる派遣看護師として働くのもおすすめです。
「フルタイム」で、または「絶対夜勤シフトに入らなければならない」という働き方が全てではありません。
(参考:『夜勤の悩みを克服し看護師を長く続けるポイント』)
まずはご家族のこと、そしてあなたのキャリアを振り返り、今後どのように働きたいかをゆっくり考えてみましょう。
どの選択肢をとるにしても、看護師としてこれまで働いてきたことは無駄にはなりません。あなたが納得できる答えを探して、転職に踏み切ってみてはいかがでしょうか?